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海外研修 2017年(春)フランス

海外研修 2017年(春)フランス

①以前からずっと見たいと思っていた、そして実際に嗅覚でその香りを体感したいと思っていた、香水の原料にも使用されている匂いスミレの花や南仏に春の訪れを告げると言われている山一面を真黄に染めるミモザの花々、そして桜にも似ているアーモンドの白い可憐な花などの、この季節ならではの香りと景色との出会いを求めて、寒波が到来中の2月半ばに日本を出発し、ニースからモナコへと向かった。 ヨーロッパもどうやら今年は寒波の到来で、例年より寒い日々が続いていると聞いていたために花の開花状況が気になっていたのだが、丁度、寒波もひと段落した後で穏やかな陽気が戻り花の開花も一気に進んだ様だった。  今回、前半は移動に便利なモナコのアパートメントホテルに滞在し、後半からはエクサンプロバンスへ移動する計画だった。 アパートメントのすぐ近くでは、毎朝、朝市が開かれており新鮮な野菜や果物、花は売られていた。 また「BIO」製品を扱う店もあり、食料品の他に石鹸や香水なども「BIO」認定マークのものが色々と販売されており、フランスにおいての広がりを感じる。 ②まず初日は、以前に何かの旅番組で見てから何時か訪れてみたいと思っていた地中海の絶景と樹齢1000年を超える巨大なオリーブの木があるロクブリュヌ・カップ・マルタンへ、ローカルバスを利用して行って来た。  バスを降りてから上へ上へと続く石段を、古い家々が立ち並ぶ村の中の細い道を上がり、頂上にある中世のお城を目指して登って行った。登ったその先には赤い屋根の家々の向こうに地中海の素晴らしい景色が広がり、オリーブや糸杉の木々の間から吹く地中海の海風を体一杯に感じる旅の始まりだった。

2017年(春)フランス
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③さて翌日は、ミモザ街道に位置するマンドリュー・ラ・ナープールへと車で移動。 モナコから南へ移動するにつれて道路の両側に真黄色に房状の花を咲かせているミモザの木々が続く。一時間半程度でマンドリュー・ラ・ナープールに到着。そこからは、ミモザの木々が一面に生い茂る山を麓から上へとハイキングトレイルに沿って山歩きのスタート。  普段山歩きなどする機会のない身には、結構ハードな体験ではあったが、とにかく、見渡す限りに地生するミモザのその香りを全身で体感したいという強い思いがあった。 ややくすんだ様なグリーンの香りに、パウダリー感を伴い、仄かにバルサミックな甘さを持つミモザの香りは調香にナチュラル感を与付してくれる。  帰りに立ち寄ったエズ村では、1本だけあるアーモンドの木が白く可愛い花を咲かせていて、顔を近づけるとやや甘酸っぱく未完熟な果実の様な香りを放っていた。 遠くから見ると桜の花とよく似ているのだが、よく見ると桜の花は枝から細い茎が出ていてその先に花を咲かせるが、アーモンドの花は細い枝に直接にしっかりと花をつける。

2017年(春)フランス
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④ 次の日は鷹の巣村と言われ、フランスの最も美しい村の1つに選ばれているグールドンに立ち寄った後、匂いスミレの温室栽培の見学にトゥーレット・シュルールー村へ行った。  グールドンは小さな村で、若手のガラス作家たちのアトリエや香り関連の雑貨や香水を販売している店もあった。香水は近くに工場がありそこで製造されているらしいが、工場は見学者を受け入れる許可を取っていないらしく、残念ながらそこへの見学は出来なかった。  グールドンを出てしばらくすると、スミレの街、トゥーレット・シュルール―へ到着した。ここも街を一周するのに30分もかからないような小さな可愛い村で、主にスミレを観光資源としている。  広場では朝市が開かれていて、それをちらっと見た後に街の中を一同し、少し高台にあるスミレの温室へと向かった。   スミレは世界に400種程有り、手入れすれば10年はもつと言う。  フランスでスミレを栽培しているのは、こことトゥ―ルーズの2か所で、トゥーレット・シュルール―ではビクトリア種を、トゥールーズはパルム種を主に栽培しているようだ。 毎年、10月末頃から3月初旬までに花を摘み取り、 スミレの花は、砂糖漬けをしてアメなどにしたり、乾燥させて茶葉と混ぜ合わせバイオレットティーとしたりして使用している。約8000の花から1kgのアメが作れると言う。  花を丁寧に水で洗った後に、アカシアのシロップで砂糖をコーティングして12~14時間程度シロップに漬け置くとシロップにスミレの色と香りが移ると言う。 バイオレットリーグズabs.として香水の原料に使われている葉の部分は、1年に2回(5月と7月)鎌で刈り取り、 刈り取った後すぐに香水の街として知られるグラースの工場へと運ばれる。 見学をしたこの農家(フロランス家)は2ヘクタールの農地を有し、15の温室を持ち、1週間に約800kgの葉を収穫すると言う。 この地方では1880年頃からスミレの栽培が始まり、昔は村一帯で栽培していたが、 人手の問題なども有り、1950年には50軒あった農家が、現在ではたった3軒のみしか栽培を行っていないという話である。   何と言っても驚いたのが、ポールを利用したスミレの栽培の仕方である。 一般的な花の栽培と同様に、地面に苗を植え付け栽培していると想像していたのだが、温室の中に入った途端、目にしたのはところどころに丸い穴の開いた円柱の筒の様なものが天井から紐に吊るされた様なふうで、ずらりと並んでいる光景。  そう昔々、子供の頃にパイナップル農園で栽培されていたパイナップルを見た時のショックと同様に・・。 (南国の果物であるイメージから、てっきりパイナップルは大きな木にぶら下がっているものだとばかり思い込んでいた)  この栽培方法は腰をかがめて花や葉を摘み取る作業をしなければならなかった体への負担を軽減する目的と目の高さで花や葉を確認できるという利点から考えられたものらしい。  白い筒の中には、栄養素を入れた白い石灰質の火山土の様なものが詰められているそうで、水は温室外にある機械から自動的に給水される仕組みになっている。  ただ、他の温室では地植えで栽培しているところもあり、現在はまだ両方の方法での栽培がおこなわれているらしい。

2017年(春)フランス
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⑤翌日は国境を越えてイタリアへと入る。レモンで有名なマントンのレモン農園の見学だ。国境を越える時に簡単な検問があった。日本人だと、たいした質問も無く、笑顔でスルーさせてくれたが、最近は以前に比べると、検問の警察官の人数が増え、厳しくチェックされる事もよくあるらしい。  春はお祭りが多く、ここマントンも丁度「レモン祭り」の最中だった。 今年のテーマは「ブロードウェイ」と言う事らしく車窓からレモンやオレンジで飾られたお祭り会場の様子がちらりと見えた。やがて、気持ちのよいお天気の中、レモン農園へと到着した。 マントンのレモンは、マントンレモンと言う名前で、主にジャムなどの食用に使用されているが、その味と香りは通常のレモンより甘く、形も大きくて丸い。一口かじるとレモンの香りが口に広がるが、苦みとツンとした刺激が鼻にこない。 マントンは年間を通して気候が穏やかで暖かく、雨がほとんど降らず、そのため、特有の味と香りを伴う品種が生まれたらしい。 マントンレモンは貴重なため、レモン祭りで使われているレモンは、他の国から輸入されたものを使用するらしい・・・。 何だか複雑な心境だ。

2017年(春)フランス
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⑥さて旅も最後へと近づき、モナコを出発してナポレオン街道を走り、途中、ムスティエ・サントマリーに立ち寄った後、エクサンプロバンスへと移動した。 途中、車窓から見える風景もミモザ一色だったものから、アーモンドや葡萄畑へと変わっていく。この季節にもう1つ体験したかったのが、土から掘りだして直ぐの新鮮なトリュフの香りだった。  エクサンプロバンスから車で1時間くらいの場所にあるモンテリマール一帯は黒トリュフの最高の産地として知られており、11月下旬から3月初めまで毎週末にトリュフ市が開かれている。又、ラバシエ(トリュフ狩り職人)が訓練した犬と一緒にトリュフをとるところを実際に見ることも出来る。 犬は生後間もなくから訓練されているため、特別な嗅覚を持つという。トリュフを見つけた時は、犬の土の掘り方で分かるという。 片手で土を掘り返す時は、ただ探しているだけ。両手を使って掘り出したら、その下にトリュフがあるということらしい。   トリュフは世界三大珍味と言われているが、松茸同様、その特有の香りに価値がある。日本でも食する機会はあったが、それ程のインパクトを感じた記憶があまり無かった。 トリュフの香りは香水の香りの表現としてもたまに使われることもあるが、以前から香りの王様と言われている新鮮なトリュフの香りを是非、香ってみたいと思っていた。  探すと数十分で、大小数個のトリュフを見つけ出し、ラバシエがその先をナイフで少し切り見せてくれた。中がほぼ真っ黒な色をしているのと、点々とマーブル状に白い模様が入っているものがある。どちらの方がよいものか?との質問には、真っ黒のものの方が香りが強いという。確かに嗅ぎ比べてみると香りが違うが、これは好みの問題もあるように思う。 土の香りに混ざりアニマリックな香りが鼻の奥にこびりつく。黒砂糖の様な 甘さと苔の香り、そして茸特有の香りがアンバランスに溶け合った何とも複雑な香りがする。味覚より嗅覚をもって選ばれた食材であるこの茸の香りは、何かを人間の本能部分に語りかけてくれているように感じる。 今、私たちの日常はコマーシャルされた色々な香りの商品であふれているが、今回の旅はあらためて自然に生きる植物のありのままの香りがもたらす心地よさ、エナジー、不思議・・・、色々なものを体感できたものだった。

2017年(春)フランス
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2022-03-10 19:30:19

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